インドの失業率

インドに失業率が発表され、7月は6.8%と過去6か月では最も低くなりました。
モンスーン時期により農業関連での雇用増加が影響しているようです。
6月の7.8%からは 1%ほど改善しており、
農村地域の失業率が8.0%から6.1%と大幅に減少しています。
それに対して、都市部では、製造業・サービスの両者で悪化しており、
6月の7.8%から8.2%へと悪化しています。
したがって、失業率の改善は主に農村地域による
雇用吸収によるものと言えます。

農村地帯の雇用は、モンスーンの多寡による収穫への影響により、
大きく左右され、今年はウッタルプラデーシュ州、ビハール州など、
北部地域では降雨量が少なく、雇用の改善も大きくなく、
南部地域では平年並みで改善しています。
インドの経済含め、雇用状況は、まだまだ農村地域の
占める割合が高いことがよくわかります。

こうした状況の中、インドの大手財閥の一つである、
マヒンドラグループの会長、アナンド・マヒンドラ氏は、
「インドに雇用を生み出すために、製造業を更に発展させることが重要」と
76期の株主総会で語っています。さらに、
「インドの失業率は7%~8%程度を推移しており、雇用の増加が
GDPの成長に追いついておらず、そのギャップを埋めることが必要。
特に若者や女性が影響を受けており、労働可能な人口の40%程度しか
実際には職についていないか、仕事を探していないのではないか。
(潜在的な失業率はもっともっと高い!)」と語っています。

まさにその通りで、インド経済は、特に国内はまだまだ農業に
支えられているところが大きく、モンスーンにより収穫が順調で
農村地帯が潤えば経済も堅調、
逆にモンスーンに雨があまり降らず、収穫が低調に終わると、
国内需要が減少し、経済が停滞します。
モディ政権が推し進め、こうした財閥からも強い意見が出ているように、
製造業やサービス業による雇用創出が一層求められています。

失業率の数字だけ見ると、コロナの影響もそれほどなくなり、
農業も全般的に堅調で、今年のインド経済は問題なさそうかな、と
いったところだと言えるでしょう。

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