国内企業の経済情勢はまだら模様

インド経済全体はGDP成長率が2022年から
大幅に回復していますが、業界によっては
状態がまだら模様なようです。

北インドデリーを中心に全インドに展開し、
民間最大手の銀行である HDFC Bank は
2022年度第3Qの純利益が 1,225億ルピー(1,920億円)と、
前期比 18.5%増、昨年同期比でも20%以上の増加と
なりました。
売上も好調であり、不良債権比率も1.23%と
前年から横ばいで推移しており、
Net interest margin (預貸金利ざや) も 4.1%と
利益率も順調、という状況のようです。

それに対して、インド経済を引っ張るIT企業からは、
来年度の雇用数の減少予測が発表されています。
IT業界の4大企業、TCS、Infosys、HCS、Wipro では、
2023年度第1Qについては、新人を中心に50,000人程度の
新規雇用を確保しますが、2Qから雇用数を減少し、
28,000人程度、第3Qに至っては 5,000人程度に絞る、
との予測を出しています。
各社の経営幹部からは、新人の確保は引き続き積極的に
行うものの、経験者の採用は景況の不透明感から
絞り込みを行うと発表しています。

コロナ禍の行動変容により、デジタル化の需要が増大し、
2022年は新規採用を多く実行したものの、
コロナ禍も落ち着き、システム開発等の需要の
先行きが不透明であること、
さらに昨年から2023年第2Qまで採用を増加させてきており、
状況も相まって、3Qからは採用を絞るようです。
国内の経済成長に伴って、売上・利益成長が予測される金融業界と
主に米国・欧米向けのシステム開発を行う海外市場を
相手とするIT業界と、強い内需、弱い外需、という状況で
インド国内企業の情勢はまだら模様のようです。

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