2000ルピー札の廃止
インドで再び高額紙幣の廃止が発表されました。
インド政府は、紙幣の中で最も高額である、2000ルピー札の流通停止を発表、
9月末までに銀行に預入をするか、他の紙幣に両替することを求めています。
2016年の高額紙幣廃止は、
・4時間後に即座に使用を停止するという突然の発表
・当時の高額紙幣であった500ルピー・1000ルピーの両方を廃止
・新紙幣の切り替え、紙幣の発行もこれから準備
という内容のため、国中が大混乱に陥りましたが、
今回は期間の余裕があり、2000ルピー札は日常使いでは使用頻度も高くなく
流通量も限られていること(全体の10.8%程度)、
他の高額紙幣である500ルピー札は今後も使用できること、
など、前回と比べ大きな混乱となる要素は少なそうです。
また、現在流通している2000ルピー札の89%は、2017年5月までに
発行されており、新規発行も限定的になっています。
今回の発表で、紙幣が銀行に戻ってくることで
通貨の流動性が低下するとの予測で、
長期国債の利率の低下などが発生していますが、
前回とは異なり、冷静な受け止め方がされています。
また、前回との大きな違いは、16年の高額紙幣廃止により、
デジタルマネーへの普及が大きく進んだことです。
日本へPayPayとして進出した PayTm をはじめとしたQRコード決済を始め、
電子マネーやクレジットカードなど、
インド国内でのキャッシュレスでの決済額は、ここ4年間で
4倍弱になったとの統計もあり、(インド中央銀行のRBI-DPI 指数)
現金決済の重要性が低下しています。
今回の2000ルピー札廃止は、インド政府がデジタル化、キャッシュレスへ
ますます舵を切ることを鮮明にした政策と言えるでしょう。