輸出の成長

インドモディ首相は自身の月例のラジオ番組(Mann ki Baat)にて、
2021年度のインドの輸出額について、
目標としていた4000億米ドルを達成したと発表しました。
これは農民をはじめとしたインド国民の大きな可能性を示したもので、
引き続き vocal for local を続けていけば、
インドの local は global になる、と語りました。
そしてこれは、世界中でのインド製品への需要の高まりと、
サプライチェーンが強固になっていることを示すものだ、
とも語っています。

「Vocal for local」 はコロナのパンデミックに対応するための
スローガンとして、モディ首相が使っているものですが、
元々は1905年、インドの独立のためにマハトマ・ガンディー他、
インド独立の英雄たちがナショナリズムを高めるために
好んで使っていた言葉でもあります。
地域の経済を発展させ地域での消費を高めていくことで、
長期的な需要を高め、それが国全体の産業を発展させ、
輸入に頼らない自立した経済を達成する、という意味を含んでいます。

金額的に見れば、21年度は4000億米ドルですが、
これは20年度の2920億米ドルから37%の増加であり、
これまでは18年度の3301億米ドルが最高額でした。
輸出額の成長について、モディ首相は
UAEやサウジアラビア向けの果実や農作物の輸出や、
アッサム州の革製品の成長を強調しています。
(農村部の人口が多い=選挙の票を考えると、
やはり農村の成果を強調するのでしょう。)

さらにモディ首相は、政府が直接商品を調達する、
Government e-Marketplace の成果も強調しており、
政府に直接取引をすることができるようになったことで、
インド中の12.5万社の中小企業や小売店が
政府に商品を直接販売でき、
大企業だけではなく中小企業にも機会を広く開く、
新しいインドの姿を示せた、と指摘しました。

いいことづくめのような発表ではありますが、
インドの輸出額増加は、実際には工業製品が大きく、
コロナ禍で世界中のサプライチェーンが混乱する中で、
他国と比較すれば、立ち直りが早く、
また、為替も弱含みにならなかったことが
奏功したものと思われます。
22年度に向けては、ウクライナ情勢の影響が
懸念されますが、このまま順調に成長を、と願う次第です。

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