ロシアとインドの絆
ロシア外相が4月1日インドを訪問し、インド外相と会談を行っています。
ロシア外相は、「ロシアとインドは西側諸国の違法な経済制裁に対して
対応策を見つけるだろう」と発表しており、
インドがロシアに対しての経済制裁に組しない姿勢を評価しています。
モディ首相は最近デリーに来訪する各国の外相とは面会していませんが、
英国外相、中国外相も数日前にデリーに来訪しており、
ロシア外相の直後の訪問は、各国の動きを牽制しているようにも思われます。
インドはロシアを非難する国連決議にも棄権しており、
ロシアからの石油の購入量を増加させるなど、
西側諸国の動きとは一線を画しています。
徐々に西側に同調するような動きもありましたが、、
このあたりはインドのしたたかな外交を展開しています。
英国外相の訪問では、民主主義と独裁体制の闘いである、という
英国側の主張には同調せず、
米国が超大国としての役割を失いつつある中で、
武器の購入などインドとロシアの関係を断つような
動きは受け入れられない、としています。
また、西側諸国の経済制裁により、ルーブルを通じた取引が難しくなっている
点についても両国で解決策を検討する、と発表しています。
この経済制裁ではユーロとドルが基軸通貨としての性質を強めている現状を
さらに強めているとして、
ルピーとルーブルを通じた貿易の促進を目指し、
ロシアはインドが必要なもの(武器、石油、粗ダイヤモンド、肥料など)を
何でも輸出する用意がある、と発表しています。
中国への警戒感として、米国、日本、オーストラリアとのスカッドには
参加するものの、ロシアとの同盟関係はそれよりも優先するような
姿勢を見せた外相会談ですが、
これも自国のポジションを最大限に生かす試みでしょう。
インドを巡る綱引きはまだまだ続きそうです。