ウクライナ危機とインドの対応
ロシアのウクライナ侵攻が世界を騒がせていますが、
インドの対応はどうなのかですが、
国連のロシアに対する非難決議に対して、「中立」を決め込んでいます。
2022年1月以降で、国連でのウクライナに関連する決議に対して、
6回とも棄権をしており、国連総会や、
国連人権理事会でのロシアへの人権侵害の調査など、
いずれも賛成票を投じていません。
国連人権理事会では、47の理事会のうち、32国の賛成で
ロシアへの侵攻に対する緊急調査について採択されましたが、
13国が賛成せず、インドもパキスタンとともに棄権しています。
ロシアの侵攻に対して、人権の侵害を非難し、
ロシア軍とロシアに支援された武装勢力の撤退を要求するものですが、
中国はウクライナに対する議論すること自体に反対しており、
反対国は中国とエリトリアのみ、
インドは反対まではしていませんが、棄権により賛成票を投じていません。
さすがに業を煮やしたのか、米国のバイデン政権は 3/2 に
インド政府に対して、ロシアと距離を取るように要求をしています。
米国の同盟国では、ロシアのウクライナ侵攻に対して公式に非難を
表明していない国はインドだけとなりました。
最近ではUAEもようやく重い腰を上げ、賛成票を投じるようになりました。
もともと、インドはロシアの地対空ミサイルS-400を購入する際にも
ひと悶着あり、立場も板挟み状態なのではあります。
ロシアへ正面だっての批判は避けながらも、
ロシア寄りの印象を避けるため、
「ウクライナ地域の平和に強い懸念がある」との表明を発表しています。
引き続きインドの板挟み状態は続いていくのか、
徐々に西側寄りに転向するのか、
インド政府としては神経質な展開が続きそうです。