Amazonを巡る争い

2013年にインドに進出後、国内勢との競争も何のその、
順調に勢力を伸ばしている Amazon ですが、
CCI (competition commission of india:日本でいう公正取引委員会のような組織)から
「待った」がかかりました。

オンライン決済の利便性を高めるために、大手小売りのFutureグループから
Future Coupons (FCPL) を2019年11月に 140億ルピーで49%の株式を購入し、
買収したのですが、その取引の成立の認可を一時停止、
20.2億ルピーの罰金を課すとともに、60日以内に再認可のための
情報の提示を求める決定を下しました。
Amazonとしては、高等裁判所へ提訴するオプションもありますが、
関係者によるとハードルは高そうです。

この背景ですが、第2位のFuture Retail が小売り最大手のReliance Retailへ
一部の事業や物流施設等を2500億ルピーで売却を進めていたのですが、
Amazonが先に買収した FCPL が Future本体の10%程度の株式を持っている
ことを受け、昨年シンガポールで訴訟を起こし、勝利したことがあります。
インドでも本年の8月に最高裁でAmazonを支持する判決が出ており、
Reliance への売却が停止されています。
Amazonは、FCPL買収時の契約にてFuture Retail の優先購入権があると主張し、
Reliance Retail への売却を差し止める要求をしたもので、
シンガポール・インドいずれでも認められた形です。

今回の CCI の判断はこの裁判と真逆で、
FCPL買収時の株主総会での説明、
及び買収時にCCI に提出された資料では、
Amazonは決済手段の利便性を高めるための買収とされており、
Future Retail の優先購入権や、
他の競争相手から買収されることを防ぐため、
といった目的は含まれておらず、
この目的を前面に出すのであれば、
買収時の説明が虚偽である、との判断したものです。

事態がかなり複雑になってきておりますが、、
今回の政府の判断は、国外からの投資を呼び込みつつも、
国内も守るといった、喧嘩両成敗ならぬ、
国内にも外資にも目くばせしたかのような
微妙な立場を表したものと言えるでしょう。
Amazon、Walmart (Flipkart)、Relaiance による小売市場を巡る争いは
コロナによる電子取引の増加とも相まって
激しさを増しそうです。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です