Heroとヤマハが合弁会社設立
Hero Motor が日本の二輪の大手ヤマハと電気自転車で
世界市場に進出するため、合弁企業を設立します。
当初はヤマハがマイナー出資で設立し、
その後、出資額を増額するようです。
Hero はインドでは二輪車市場のシェア1位である最大手企業であり、
元々は1984年に日本のホンダがインド進出する際に合弁企業として
Hero Honda として設立された企業ですが、
2010年に合弁を解消し、Hero Motor となった企業です。
この経緯だけ見ると、ホンダとの合弁で生まれて、
解消し、今度はヤマハと合弁会社ですが、と
日本の技術力をうまく使いながら成長している
したたかなインド企業の姿が垣間見えますね。
合弁企業の狙いとしては、電動自転車の電気ユニットの製造を
現地化することで輸入依存度を下げ、"Make India" を推進するとともに、
コロナ禍環境下での、特に中国からのサプライチェーンが
緊迫している中で輸出を増加させる試みです。
両者とも二輪車ではすでに世界的な大企業となっており、
電動自転車でもヤマハの技術力と Hero の現地化・低価格化を
組み合わせて積極的に世界へ打って出る計画です。
というのも、自転車市場を見ると、
EUでは80億米ドル、2026年までに170億米ドルまで成長すると見込まれており、
それに対してインド国内では 9億米ドルに過ぎず、
また、電動自転車ではさらに規模は小さく1億米ドル程度しかないためです。
近年の環境問題への意識の高まりや、健康志向、さらにはコロナ禍での
公共交通の代替として、自転車市場は成長傾向にあり、
特にEUでの成長が大きく、EUへの輸出を当初からのターゲットとしています。
まずは「Lectro E-Cycle powered by Yamaha, India」として
インド市場に展開を開始しましたが、さらにEUへの進出のため、
HNF や Insynk といったブランドを買収する計画もあります。
今回は電気自転車での合弁会社設立となりましたが、
今後主力である二輪車の分野まで提携を進めていくのか、
ホンダとの合弁会社のように提携を解消していくのか、
この電気自転車での成功にかかっていると思います。