エアインディアをタタに売却

インドのナショナルキャリアである、エアインディア(Air India)ですが、
タタグループの Tata Sons に売却することとなりました。
その額は約24億米ドル。
政府としては、ようやく赤字続きのエアインディアの買い手が見つかった格好です。

ここで、エアインディアの歴史をたどってみましょう。
1932年にタタにより英国統治下のタタエアラインとして設立され、
1946年に民営化してエアインディアと名称を変更。
その後、1947年のインド独立に伴い49%の株を国が購入し、半官半民の航空会社となりました。
1958年には当時の ジャワハルラール・ネルー(Jawaharlal Nehru) 首相により
ナショナルフラッグに民間の航空会社はふさわしくないとして、
国営企業となりました。
ええ、ということで、80年ぶりにエアインディアが
タタ・グループに戻ったことになります。

この売却に際しても、巨額の負債をどこまで背負うか、
子会社はどうするか、でなかなか苦労しており、、
1年前の初回の入札は入札者なし、と全くの不調に終わり、
条件の2度の見直しを経て
債務の負担を下げ、子会社も対象に含めることで、ようやく売却が決まりました。
買手は入札前からそうだろうね、という、タタでしたので、
ただの価格交渉だったのでは、、と見えますが。。

タタ・グループには、国内線のフルサービスキャリアのヴィスタラ(Vistara)、
マレーシアのLCC エアアジア(Air Asia) のインド子会社
エアアジアインディア がありましたが、
そこにナショナルフラッグシップである エアインディアに
LCCであるエアインディアエクスプレス (Air India Express) を加え、
インドの航空業界のトップに躍り出ることになります。
とはいえ、インドの航空業界は 2019年に かつては国内トップであった
JetAirways の破綻もあり、業界全体は成長しつつも、
必ずしも利益を生みやすい状況ではなさそうです。
加熱した競争が若干和らぐ効果はあるかもしれません。

個人的には、ヴィスタラは JAL とコードシェアやマイルの提携を行い、
エアインディアは ANA と同じ Star Alliance メンバーでしたので、
果たして何か変わるか、気になるところですかね。

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