ウクライナ情勢とインド
まさに一触即発と言えるウクライナを巡るロシアとEUとの緊張関係ですが、
インドでも大きく報道されています。
インド政府としては、外交努力による平和的な解決を強く求めており、
中立を維持すると表明しています。
ウクライナにいるインド人はキエフのインド大使館に登録し、
大使館では情勢を注意深く見守るとのこと。
人数はわかってはいませんが、学生だけで18,000人程度のようです。
外交努力は今のところ目立った進展がない状況ですが、
米国ともロシアとも緊密な関係があるインドとしては、
どちらにも肩入れできない状況となっており、
繰り返しどちらの側にもつかないと表明しています。
また、インドが中立を保つと表明したことは、
ロシアとしてもありがたい声明ではないかと評価されています。
意外と思う方もいるかもしれませんが、
インドはロシアとの関係が深く、特に軍事面では重要な
パートナーとなっています。
ミサイル防衛でもロシアの開発するS-4000ミサイルを購入しており、
主力の戦闘機や戦車等の軍備もロシアからの輸入が主流となっています。
このあたりが、インドの一筋縄ではいかないところでしょうか・・・。
ロシアとの関係性という意味では、昨年米国が撤退したアフガニスタンの
問題も絡んできます。
米国が撤退したことで、旧ソ連の地域に近いこの地域の
ロシアの重要性が相対的に高くなっており、
テロ活動の封じ込めにロシアとインドが協力して対応しています。
こうしたインドの対応を見ていると、
米国・EUとロシアとの板挟み状態にあるともいえますが、
どちらか一方に完全に従属することなく、
自国の利益のため、大国の間を巧みに泳いでいる
インドのしたたかな側面が垣間見え、興味深いですね。