石炭不足
中国・インドでの電力不足が報じられています。
日経平均株価も本日は大幅安となりましたが、
中国の不動産会社の債券問題による先行き不透明感と、
この中国やインドで報じられている電力不足が景気に悪影響と
嫌気されたものと思われます。
インドではコロナウイルスの感染状況が収まり、経済活動が活発になるにつれ、
電力消費量が増えています。
インド国内の電力の70%を石炭火力発電で確保していますが、
世界各地でコロナ禍が落ち着いたことで、石炭の世界的な需要の高まりを受け
石炭価格は高騰しており、十分な石炭を確保できない状況となっています。
多くの石炭火力発電所の在庫量は数日分まで低下しており、
電力の安定性が危ぶまれる状況。
インドでは珍しくもない停電ですが、さらに回数を増すことになるでしょう。。
主な輸入国は、インドネシア、オーストラリアなどですが、
近年はインドネシアからの輸入量が増えています。
石炭価格の(特に輸入価格の)高騰を受け、
期待されるのが国内ですが、国内供給の80%を占めるCoal India は、
天候不順により採掘を増やすことができず、
十分な対応ができていません。
インドでは国営企業を活用して石炭への関税を低く保ち、価格の変動を吸収させており、
それが石炭火力に依存する電力供給構造となっています。
しかしながらこうした国営企業が大きな力を持っているために、
電力供給に民間の投資が流れていない事態にもなっているようです。
それでも、経済界では、インドでの電力供給の悪化は中国と比較すると
まだ深刻ではなく、本当に逼迫する事態にはならないだろう、との見方です。
こうした報道から、インドの石炭火力発電への強い依存の状況を知るにつけ、
環境問題の高まり
(ドイツ総選挙や、昨今の石炭火力発電への融資に反対する市民運動)
PM2.5に代表される深刻な大気汚染の現状から、
インドでもクリーンなエネルギーへの転換が求められてくるでしょう。
その転換に日本企業も支援ができれば、と考える次第です。